上智学院の責任投資(ESG投資)の取り組み (2021年度に実施したもの)
- 国連
- 学院・大学の取組み
- 社会・地域連携
上智学院では、『学問研究及び社会貢献を通じて、「人間の尊厳(human dignity)」を脅かす課題 -貧困、環境、教育、倫理- の解決に貢献する』という基本理念を反映した形で資産運用を実践するために、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)を考慮したESG投資に取り組んでいます。
建学の理念と整合的な取り組みとして加盟している、「国連グローバルコンパクト」や「国連責任投資原則(PRI)」に基づき、社会的リターンと投資リターンの両立を目指したESG投資を推進すると同時に、資産運用を通じて地球規模の環境問題・社会課題の解決に貢献し、持続可能な国際社会造りに繋がることを目指して2021年度に実施した責任投資の取り組みの一部をご紹介します。
① 「気候危機に関する政府に向けてのグローバル投資家ステートメント」に署名
パリ協定の目標である世界の平均気温上昇を1.5°C未満に抑制し、2050年以前の排出ネットゼロを目指した移行計画を確かなものにするため、2030年に向けて自国が決定する貢献(NDC)を強化することなどを各国政府に要請するグローバルステートメントに機関投資家として署名しました。この署名は、The Investor Agendaの創設7団体(AIGCC, CDP, Ceres, IGCC, IIGCC, PRI, UNEP-FI )のコーディネーションの下で、資産総額41兆米ドル超となる457の機関投資家が署名し、各国政府に対して、気候危機に対するさらなる協調行動を強く求めるものです。
② ジェンダーボンド(ソーシャルボンド)への投資を実施
独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」)が発行する「ジェンダーボンド(ソーシャルボンド)」への投資を実施いたしました。新型コロナ危機によって女性・女児の人権や公平性は更に損なわれています。本債券は、一層浮き彫りとなったジェンダー課題に対する取組みを強化し、ジェンダー平等と女性のエンパワメントの推進に取り組むために発行されました。
本債券により調達された資金は、有償資金協力事業のうち、国際的なジェンダー事業分類基準に合致する事業(石炭火力発電関連事業を除く)に充当されます。
③ 新興国の再生可能エネルギーファンドに参画(官民共同インパクト投資)
アジア・アフリカ・中米・ラテンアメリカなどの新興国における、太陽光・風力などの再生可能エネルギー発電施設の建設・運営プロジェクト等を主な投資対象とする、官民共同の新興国気候変動対策インフラファンドへ出資をしました。
本ファンドは、政府系金融機関であるドイツ復興金融公庫(KfW)やフランス開発庁(AFD)、に加え、国際協力銀行(JBIC)が出資しています。官民共同で新興国の人口増加や経済成長による将来的な電力需要の増加を見据えた再生可能エネルギー事業の開発を後押しすることを目指しています。また、発電から電力提供に至る再生可能エネルギーのサプライチェーン構築を通じて、環境・社会にポジティブなインパクトを及ぼすことも追求しており、投資先プロジェクトから創出される社会的インパクトの定量的な計測を行っています。