学生同士の交流を促進している「SSIC」
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上智大学の学生同士の交流を促進している学生センターのSSICについて、担当者の新井佳英子さんに話を伺いました。
——Q1 SSICの創立のきっかけについて教えてください。
SSICは2017年12月に新しくできました。留学生へのアンケートを実施したところ、日本人学生ともっと交流する機会がほしかったという声がありました。
また、日本人学生が留学生と交流できずに卒業してしまうことがもったいないという声もあり、多様な異文化背景や価値観を持った学生同士の相互交流の活性化のためにSSICは発足しました。
——Q2大学にとって新しい部門であったため、苦労をされたのではないかと思います。
SSICは前例のない組織であったため、マニュアルもなく、企画をゼロから考えなければならないというところで苦労をしました。
例えば、どういった形式で広報をすればいいかで悩みましたが、初めは広報のメインストリートにポスターを貼るくらいしかできませんでした。しかし今は、学生センターのHPのFIND SOPHIAやLOYOLAにて皆さんに情報を届けています。
——Q3どのような方々が協力してくださいましたか?
上智の教職員さんたちにはとてもフレンドリーな方が多くいろんな協力やアドバイスをいただきました。そのお陰で2017年から今まで5年間やってこられたと思っております。
SSICの最初のイベントであった「Russia Week」は、教員の方々を含めたロシア語学科の全員が協力してくれて、5日間開催する大きなイベントになりました。
——Q4各イベントのテーマを決める上でのアイデアはどこから得ていますか?
普段生活している中で気になっていたことを貯めておいて、それを企画に繋ぐことが多いです。普段自分では当たり前だと思っていても、世界の中の日本という視点で考えてみると、「これ日本だけだな」と思われることがたくさんあるので、それになるべく気づくようにしています。
2年前からは、SSICの企画に参加してくれた学生たちにアンケートをやってもらっていて、やってみたい企画があるか聞き、その中で実現可能性が高いことや、学生同士の交流にぴったりだと思われることを選んで企画のヒントにしています。
また、上智には多趣味な面白い教職員の方々が沢山いて、その情報を周りの教職員の方が下さるので、その助けが多かったです。
——Q5学生が企画するイベントもありますか?
いくつか学生が考えるイベントもあります。その中でも一番大きかったのが「Islam Week」でした。
それは総合クローバル学科の学生が考え、企画に参加してくれたイベントでした。イベントの企画を持ってきた学生は4年生でしたが、自分が上智大学で学んだことへの恩返しとして後輩に還元したいという思いで企画を考え、プレゼンテーションをしてくれました。そんな発想をする学生がいることに感銘を受けました。
——Q6日本文化だけではなく、「Islam Week」を開催するなどで他の文化に対しての理解を深めるために働いているのですね。
海外の文化を日本人学生に紹介することでより視野を広げダイバーシティーの推進ができると思います。
「Islam Week」などのイベントを通じて他の文化圏の人が考えていること、感じていること、自分の国以外の実情を知ることで 自分の幅が広がると思います。これからもその価値を伝えて行きたいです。
——Q7イベント参加への費用がとても安いですが、どういう仕組みになっていますか?
交流したいという意志を持つ全ての学生に楽しんでもらうため、 SCS(ソフィアキャンパスサポート)と大学で費用を補助しています。
SSICの運営は、課外活動の予算として大学側から支給されています。また、SCSからSSICの活動に賛同していただいていて、多くの寄付をいただいています。
その支援のもと、「金沢ツアー」は、1万円という金額で学生の皆さんに体験の機会を提供することができました。「Kabuki&Brunchツアー」に関しても、5000円程度の歌舞伎のチケットに対して、SSICでは学生の負担は1000円とお財布にやさしい設定が実現しています。
——Q8文化交流の力を感じた瞬間があれば教えてください。
SSICの最初のイベント「Russia Week」の開催が記憶に残っています。上智大学に留学をしていて、油絵を描くのが好きなロシアの学生がいて、彼女の個展を11号1階にあるSSICで開きたいという話を最初日本語の先生にいただきました。そこからロシア語の先生が動いてくださって、「Russia Week」を開きましょうという話になりました。
ロシア語学科の学生たちが休日にも関わらずイベントの運営に携わってくれました。具体的にはクイズ大会や、ロシア語の歌手の公演などを含めた1週間の大きなイベントとなりました。その時、一人の留学生の思いが沢山の人を繋ぎ、学生同士の連帯の強さに感銘を受けました。
また「長崎ツアー」に参加してくれた日本に来たばかりの留学生が「学校のツアーがなければ東京の外に出るのは叶わなかった」と言ってくれたことがあります。その時、留学生が東京の外に出るのは大きなチャレンジであると気づいたのですが、その2年後に彼女が一人で京都に行ったと連絡をいただき、彼女の成長を感じました。こういった連絡があるたびに感動を受けてますし、彼らの成長にSSICが少しでも貢献できていることが嬉しいです。
(学生職員 OH MINYOUNG)