和歌山県田辺市のSDGsを知り「関係人口」になるスタディツアー「SSIC」
- 社会・地域連携
- 教育・授業
SSIC(Sophia Student Integration Commons)では「学生同士のコミュニケーションを促進すること」を目的として、さまざまなイベントやセミナー、ワークショップを開催しています。なかでもスタディツアーは、さまざまなバックグラウンドを持つ学生が集まり、日本文化の理解と学生同士の交流を深めていくものです。
和歌山県田辺市は、世界文化遺産「熊野古道」の中心地に位置しているだけでなく、地域環境を生かして持続的に梅を生産する「みなべ・田辺の梅システム」は世界農業遺産にも認定されており、2022年度には「SDGs未来都市」および「自治体SDGsモデル事業」の一つに選ばれています。
SSICでは、田辺市たなべ営業室および田辺市熊野ツーリズムビューローに協力いただき、また(独)日本学生支援機構留学生地域交流事業の「(公財)中島記念国際交流財団助成」も受け、和歌山県田辺市を訪問する「田辺市熊野スタディツアー」を実施しました。
参加した学生の国籍は日本、中国、韓国、フィリピン、ベトナム、イタリア、スイス、アメリカ、デンマークと多岐に渡り、日本語と英語が行き交う多様性に富んだグループでした。ツアーの事前学習として、田辺市の梅と熊野古道に関する話を現地の方から直接聞き、ツアー当日は、梅林に入り実際に梅の収穫を体験しました。その後、採れたての梅を使ってシロップを仕込む梅加工体験を行いました。小学校跡地を活用したグリーンツーリズム施設で宿泊したのちは、熊野古道の「中辺路」を実際に歩き、熊野本宮大社を参拝しました。
参加した学生からは「関わった全ての人が、個人の事業の発展がゴールではなく、手を取り合って田辺市全体を盛り上げようという絆や田辺市愛を感じた。また行きたいと強く思った。」「I’ve never been to Wakayama before, but now I feel like I’ve become a “connected mind” and
in the future, I’ll always keep an eye out for news about Wakayama or buy products from there in the store.」といった感想があり、実際に現地に入って地元の方と話し、地元の産業を体験し、地元を歩くことを通じて田辺市のSDGsの理解を深めていきました。今後は、田辺市の「関係人口*」として、田辺市のSDGsを支える一人となっていくことが期待されます。
*関係人口(connected mind):移住でも観光でもなく、地域と多様に関わる人々を指す言葉。地方圏は、人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面しており、「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されている。