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突撃!SDGsインタビュー 第4回 

  • 8:働きがいも経済成長も
  • 9:産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 12:つくる責任 つかう責任
  • 学生職員の取組み

突撃!SDGsインタビュー 第4回

今回のインタビューでは、カメルーン出身の正規留学生であるティシゲ・カロスタ・ラムさんにインタビューを行いました!

ご自身で作った素敵な伝統衣装を着てインタビューに参加してくださいましたので、ぜひ詳しい内容を本記事からお読みください!

ティシゲ・カロスタ・ラムさん

カメルーン出身

博士前期課程地球環境学研究科 地球環境学専攻1年

関心のあるテーマ:伝統的な織物や繊維を保存しながら、文化遺産と現代の持続可能性のバランスをとる環境に優しい慣習の推進

1.関心のあるテーマについて詳しく教えてください。
 私は、カメルーンの伝統である織物に関心があるため、サステナビリティにも興味を持っています。カメルーンで育った私は、幼い頃から布に込められた深い文化的な意味合いを肌で感じてきました。例えば、白と黒の茶色模様のドプ(Ndop)と呼ばれるヤシの木からできた生地やトーゴ布(Toghu)のような伝統的な生地には、貴族の象徴、名誉、団結、価値、自然の保全、そして神秘などのメッセージが込められています。私が今日身に着けている布にも、そのような意味が込められています。 しかし一方で、グローバル化の影響や、手作業で作られていない合成繊維の普及、そして進行する環境問題によって、これらの伝統布の存続が脅かされている現実も目の当たりにしています。自然素材や手作業の価値が見過ごされつつある中で、こうした布が私たちの文化やアイデンティティとともに消えてしまうのではないかという危機感があります。 


2. このテーマに関心を持ったきっかけはなんですか?
 上記でも述べたように私の関心は、文化的遺産と持続可能性を結びつけることにあります。カメルーンの伝統的な織物は、単なる芸術形式ではなく、多くのコミュニティにとっての生計でもある一方で、合成繊維や森林伐採、そして世界的なファストファッションのトレンドといった現代の課題がその存続を脅かしていると私は感じています。私の研究を通して、これらの織り技術が循環型経済を促進し、地域社会をエコフレンドリーなモデルに統合できるか探求したいという思いが関心を持ったきっかけです。


3.あなたにとっての理想の社会とはなんですか?あなたが目指したい未来とは?

 私の理想の社会は、文化遺産と持続可能性が共存する社会です。織物のような伝統的な技術が失われることなく、人々の生活の糧となり、アイデンティティを強化し、環境を守る、産業も環境に優しいものが尊重される未来が見たいです。そして、革新が伝統を尊重し、開発と持続可能性が手を取り合って前進する社会を実現したいです。

4.学生の皆さんにメッセージをお願いします

 私の世代の皆さんに言いたいことは、革新と伝統の両方を大切にしようということです。私たちは急速に変化する時代に生きていますが、真の進歩とは、私たちのルーツを失うことなく未来を築くことだと思います。ファッション、テクノロジーなど私たちの毎日の暮らしの中でも環境に優しい行動を応援すれば、地球を守りながら自分たちの文化も大切にできると思います。
私より下の世代、特に高校生の皆さんには小さな行動は全て大切であるということを伝えたいです。自分たちの伝統を守り、環境に配慮し、今日の選択がより持続可能な未来を作ると信じてほしいです。

                                     
今回のインタビューでは、織物の観点から伝統文化の持続可能な保存について取り上げました。服の大量生産、大量消費が主流となっている今、伝統的な衣服を守ることがいかに大切なことであるかを改めて知ることができました。素敵な衣装を着用して参加してくださったインタビュー動画もぜひご覧ください!