学生有志団体「+Re:」
- 課外活動団体
団体で行っているSDGsの取り組みについて学生有志団体「+Re:」代表 外国語学部ドイツ語学科の津田妃葉さんにインタビューを行いました。
——Q1 +Re:(プラリ)名前の意味を教えてください。
+Re:のプラスは、’プラス’チックを意味します。また、 日常生活の中に、3Rを「“+”α」することが当たり前のことになってほしい、という願いが込められています。ダブルコロン:は、永遠を意味します。私たちの活動が永遠に続くようにという想いが込められています。
——Q2 +Re:の主要な活動である「3R」とはなんでしょうか?後、3Rがどうやって持続可能な未来に寄与するのでしょうか?
3Rは、「Reduce・Reuse・Recycle」を意味します。
使い捨てが溢れている世の中で、膨大な資源が消費され、地球温暖化が深刻化するなど、 私たちが地球にかけている負荷は計り知れません。そのため、3Rを実施することによって 資源の節約ができると同時に、ゴミとして焼却される時に排出されるCO2や温室効果ガスを削減することができます。
——Q3 「+Re:」創立の背景を教えてください。
地球環境問題を知っていく中で、自分と子供の未来が不安になり、「今自分ができることから始めよう」と思ったことがきっかけです。「まずは自分自身から変わらないといけない」と思い、「脱プラスチック生活」を始めました。 自分の中で脱プラ生活が定着した後、学生センターに空コンタクトケース と使用済み歯ブラシの回収を建議したことから+Re:の活動が始まりました。
——Q4 回収する物としてなぜ空コンタクトケース、ハブラシを選択しましたか?
周りの上智大生を見ていると、多くの人がコンタクトを使用しており、またそのほとんどがワンデーコンタクトで、毎日必ずケースのプラごみが出てしまいます。また、歯ブラシは私たちの生活に必要不可欠なものです。コンタクトや、使用済み歯ブラシのような日用品は集められる量が多いため CO2や温室効果ガスの削減に大きく貢献できると思いました。
——Q5 レンズケース・歯ブラシ以外なら何を考えていますか?
今模索中なのですが、文房具など、やはりゴミとして捨てられてしまう日用品を回収したいと考えています。
——Q6 具体的にどんな活動をしていますか?また、計画している活動はありますか?
私たち+Re:は、「リサイクルを行う企業との架け橋」になりたいと考えています。現在行っている空コンタクトケースや使用済みハブラシ回収もその一環で、空コンタクトケース回収は、アイシティさんの「ecoプロジェクト」、使用済みハブラシ回収はLIONさんの「ハブラシ・リサイクルプログラム」に登録させていただいた上で行っています。回収した空コンタクトケースの集計を行ったところ、おかげさまで回収開始から約2ヶ月で6272個集まり、17.6kg(車の走行127.4km相当)のCO2削減に貢献することができました。
また、6月に上智大学とあおぞら銀行様とでコラボをさせていただき、 SDGsカードゲームのワークショップをオンラインで開催しました。
今後は活動の幅をもっと広げていきたいと思います。まだいろいろ話し合っている途中ですが、 文房具の回収の他、プラスチック以外の回収(例えば古着など)も行っていきたいと考えています。
(2023年7月更新)
①古着回収・無料配布
空コンタクトケースや歯ブラシの回収のほかに、新たに古着回収を始めました。9カフェ(9号館地下アクティブコモンズ)で回収ボックスを常設しており、現時点で1000着ほど回収することができました。また、回収した古着の無料配布も行っています。毎月5日ほど配布を行い、およそ350着ほどを配布しています。現在は、配布できない服をどう活用できるか?という課題解決に向けて取り組んでいるところです。
②節電ポスター
教室内に掲示する、節電を呼びかけるポスターも作成しています。
*詳しくは、過去の記事をお読みください!
——Q7 活動を通じて達成できたSDGs目標はありますか?
はい。10番「人や国の不平等をなくそう」、12番「つくる責任 つかう責任」、13番 「気候変動に具体的な対策を」、14番「海の豊かさを守ろう」ですでに成果がありました。
まず10番の場合、コンタクトのケースを回収し再資源化することで、ケースが他の製品に生まれ変わります。その生まれ変わった製品の収益が障害者の方々の 自立支援や就労支援に、そして日本アイバンク協会に寄付されるので不平等をなくす目標に貢献できているのではないかと思います。
12番は、コンタクトケースと 使用済みハブラシの回収を通じて「使い捨て」が普及した消費社会を見直すきっかけになったと思います。
13番は、回収を通して再資源化することで、 焼却されるゴミを削減し、C02や温室ガス削減に貢献することができました。最後に14番では、脱プラスチック 活動によって海洋プラスティック問題を解決することにつながっています。
——Q8 学生のSDGsへの関心を高めるためにはどうすればいいと思いますか?
浅くSDGsを知っている人は多くても、「深く知っている」という人は少ないはずです。そのため、SDGsを深く知るための機会を多く設けることが必要不可欠であると思います。学部学科によって差があり、あまり深く学べないところもあります。ワークショップやSDGs関連の授業など、SDGsに触れる機会をどんどん増やしていく努力が必要だと思います。
——Q9 今、活動の中で解決したい!と思っている問題はありますか?
+Re:が創設されて 約5ヶ月しか経っておらず、まだ団体としての知名度が低いというところです。現在行っている回収活動に加えて、知名度を高めることにも注力したら、さらに活動が広がり、環境負荷を減らしたり、多くの人の環境問題に対する意識を変えたりすることができると思っています。
——Q10 活動を通して、「変わったな」と実感したことはありましたか?
上智以外に活動を広げられたことです。特に、あおぞら銀行様とのコラボで1番実感できました。+Re:が主催した「SDGsの理解を深めるワークショップ」にあおぞら銀行の社員の方々に参加していただいた際、私たちは冒頭のプレゼンテーションにて「大切にしたい人はいますか?」という問いかけをし、それについて話しました。
イベント後に、最近お子さんが生まれた、女性社員の方からメールをいただきました。
「今まで遠い未来について考えたことはなかったけれども、『大切な人がいますか?』という問いかけを聞いてハッとさせられました。自分の子供が大人になった時のことを考えたら、なにか行動を起こさないといけないなと思いました。」という内容でした。+Re:のメッセージが上智内だけでなく、上智外にも伝わったことが、何よりも嬉しかったです。
——Q11 読者に伝えたいことはありますか?
読者の方々にも家族や友人など大切な方がいらっしゃると思いますし、私たち大学生で近い将来、子供を持つ方も多いと思います。
2ヶ月前に出されたIPCC(国連気候変動政府間パネル)に、「今生まれた子供が30歳になるまでに、明らかな影響がでてくることは避けられない」と指摘されています。
このままでは、自分たち自身の未来はいうまでもなく、将来の「大切な人」である子供や孫に、悲惨な地球を受け渡すことになってしまいます。このような未来にさせないためには、一人一人が「自分たちの生活の中の小さな行動が、自分や大切な人の未来を左右する」ということを意識することが大切です。例えば、日頃から水筒を持ち歩いたり、 節電節水を心がけたり、食品ロスをできる限り減らしたり(コンポストを買うのもおすすめです)、肉を食べる量を減らしたり。自分ができる「簡単なエコ」を見つけ、行動に移し、大切な人の未来をより良い未来へ変えていきましょう。
子供や孫の世代が迎える地球を想像してみてください。もしかしたらその世代までも行かずに、私たちが引退する頃には今踏んでいるこの地が海に沈んで消えているかもしれません。気候変動問題はこれ以上先送りできない目の前の現実になりました。
もちろん、気候変動が地球規模の課題だという点で、「自分が動いても変わることはない」という気がするかもしれません。
しかし+Re:の提案のように、日常の中で環境を守れる些細なことから実践してみてはいかがでしょうか?一人一人の関心と意志が集まり、気候危機に立ち向かう変化が起こります。
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(学生職員 オ)
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