【第2弾】Gender Equality for Sophia~OiTr編~
- 課外活動団体
2022年5月より運用が開始された、生理用ナプキン無料提供サービス「OiTr」。GESさんのご活躍によって実現したことをご存じでしたか?提案が実現するまでのプロセスや想い、そして今後の目標についてお伺いしました。
※こちらはGender Equality for Sophia(GES)のインタビュー第二弾です。団体の創立の背景や日々の取り組みについては、「【第1弾】Gender Equality for Sophia~活動内容編~」(https://diversity-sustainability.sophia.ac.jp/efforts/2535/ )をご覧ください。
——OiTrが設置されてから1カ月が経ちましたね。私の周囲でもすでに使用してみたという方がいらっしゃいましたが、学生の反応はいかがでしょうか?
現在、アンケートを取らせていただいているのですが、たくさんの方から「突然生理が来て、ナプキンがなくて困ったけど、トイレにあってすごく助かりました!」というような声をいただきました。最初、OiTrを設置するにあたってアンケートを実施したのですが、日英合わせて1,000人ほどの方に回答していただくことができました。
その中で懸念点として挙げられていたのが、「一人がたくさん取ってしまうのではないか」「衛生面は大丈夫なのか」といったところでした。ですが、OiTrは専用のアプリを使用して1枚ずつしか受け取れないようになっていたり、ボックスの中で保管されているため衛生面では安心できたりと、学生たちの不安を少しは払拭できたのではないかなと思っています。
ただ私たちは、OiTrの設置だけで終わりではないと思っています。OiTrは、受け取れる枚数や日数、時間がアプリを使用することによって制限されているのですが、それだけでは枚数やサイズが足りないという方もいらっしゃいます。そういう方々のためにも、衛生面などの懸念をうまく払拭しつつ、自分の身体に合わせて受け取れる生理用品を変えられるシステムがあればいいなと思っています。
——確かにそれが実現されたらとってもありがたいですね。多くの学生が必要と感じていたと思われるOiTr設置に関連して行っていたアンケートの内容や目的を教えてください。
OiTr設置前と後で2つアンケートを取っています。設置前のアンケートの目的は、学生の実際のニーズを可視化することでした。GESに入っているメンバーはそれなりに問題意識を持っているので、問題を過大評価してしまっているのではないか、という懸念があったためです。上智生を中心として大学生を対象にアンケートを取ったのですが、回答者のうち、生理があるという方が9割で、残りの1割は生理がない方でした。9割の生理がある方が“生理用品がなくて困ったこと経験がある”と回答し、これだけの人が実際に困っていたのだと実感しました。私立の大学に生理用品を無償で設置することに対して、「お金あるのに生理の貧困って矛盾してない?」とよく聞かれることがあります。しかし、アンケートを取って分かったのは、学習機会の損失が大きいということだったんです。
・生理が突然来てしまって、生理用品を買いに走っていた
・洋服が汚れてしまったので家で洗っていたら大学の授業に遅刻してしまって、自分の不注意じゃないのに遅刻扱いになった
・学校にいたときに生理がきてしまい、洋服まで汚れてしまったから家に帰って授業を休んだ
こういった経験をされた方もいらっしゃいました。このように、貧困と一口に言っても、お金の面だけでなく、学習機会の損失など幅広い意味を持つ言葉だと気づきました。
——生理と貧困がどう結びつくのか、私も初めはイメージできなかったです。ですがこうして皆さんの経験を伺ってみると、もしかしたらあれも生理の貧困と呼ばれるものだったのかなと思い当たることがいくつかあります。一方で、現在実施している設置後のアンケートはいかがでしょうか。
現時点で216件の回答していただいています。初めて使ったという方が約半数、まだ使ったことがない、または2回以上使ったことがあるという方で4分の1ずつという結果になっています。まだ使ったことがないという方のほぼ100%の方が「OiTrを使用したい」と思っているというご回答をいただけています。OiTrは機械なので、諸事情で設置できない場所もありますが、「ほかにOiTrを置いてほしい場所はありますか?」という質問項目で回答いただいた場所への設置も検討していければなと思っています。
——今お答えいただいたことも今後の目標の一つかと思いますが、そのほかOiTr設置に関しての展望はありますか?
生理があるけど男性用トイレを使っているといった学生などにも安心して利用してもらえるような体制を整えたいなと思っています。もちろん、OiTrを男性用トイレに設置することができたら、それがベストなんですが、男性が生理用品を見たときにいろんな感情を抱くのではないかという懸念点が挙がったので、現在はオールジェンダートイレとして転用されている多目的トイレに設置させていただいています。
一番良い形は、オールジェンダートイレが大学にも設置されて、そこに生理用品を置けることだと思っています。オールジェンダートイレの設置とプロジェクトが横断する形になりますが、最終的には複数のプロジェクトが一度に問題を解決できればいいなと思っています。
「啓発に留まらずに実際にアクションを起こすこと」を団体で大事にしているとおっしゃっていたGESさん。その信念通りに活動なさったことで、このように実現できているのは本当に素晴らしいなと感じます。今後もGESさんの動きに注目です!
(学生職員 橋野・アンジェラ)
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