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  • エネルギーの効率輸送のための基盤となる超伝導物質の開発に関する研究
    理工学部機能創造理工学科 足立 匡 教授

エネルギーの効率輸送のための基盤となる超伝導物質の開発に関する研究
理工学部機能創造理工学科 足立 匡 教授

  • 7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 研究
超伝導体の発見の歴史. 小池洋二, 現代化学 48, 575 (2019).

【研究の概要】
高温で超伝導を示す銅酸化物と鉄化合物に関して、単結晶や薄膜などの試料を作製し、電気抵抗率、磁化率、比熱などのマクロ基礎物性と、ミュオンスピン緩和法によるミクロ磁気特性の測定を行っています。単結晶試料はフローティングゾーン法で、薄膜試料はパルスレーザー堆積法で作製しています。また、ニッケル酸化物の研究も行っています。高酸素圧力下での固相反応法で試料を合成し、ソフト化学法を駆使して新奇な超伝導の発現を目指しています。

常圧力下で室温で超伝導を示す物質の創製が最終目標です。現状、数百万気圧の超高圧力下で水素化物が室温で超伝導を示しますが、私たちの暮らしで利用するためには常圧力下で超伝導を発現させる必要があります。そこで、私たちは超伝導物質の水素化の研究も行っています。水素の役割を解明し、常圧力下で発現する室温超伝導につなげていくことを念頭に進めています。

電子ドープ型銅酸化物超伝導体Pr1.2La0.7Ce0.1CuO4の単結晶写真.
我々が利用しているパルスレーザー堆積法を用いた薄膜作製装置(KEK東海キャンパス)

【将来の発展性】
銅酸化物と鉄化合物の超伝導の発現メカニズムを解明できれば、高温で超伝導を示すための要因を突き止めることができます。また、水素の役割が解明できれば、水素化物での室温超伝導の発現メカニズムに迫ることができます。どちらも、最終目標である常圧力下での室温超伝導物質の創製につながります。
私たちの研究で新しい超伝導物質が創製できれば、送電ケーブルや超伝導電磁石の開発につなげることができ、省エネルギー社会に貢献できます。 

担当教員

足立 匡Adachi Tadashi
理工学部機能創造理工学科