アジアにおける持続可能な開発のための教育(ESD)をめぐる比較国際教育学研究
- 研究
本研究は、地球規模課題をめぐる持続可能な開発目標(SDGs)達成の要とされる「持続可能な開発のための教育(ESD)」に焦点をあて、ESDの教育実践課題及び理論的意義を明らかにすることを目的とした上智大学学術研究特別推進費プロジェクトで2021年に始まった。ESDはユネスコを中心に国際社会でもその重要性が確認され、日本でも持続可能な社会の担い手を育てる教育として、学習指導要領をはじめ様々な場面で重視されている。本プロジェクトでは、①ESDに関する参加型アプローチによる教育実践研究、②学修成果やプログラムの評価モデル研究、③ESD活動を支える日本及びアジア地域の制度及び政策の比較研究という3つの柱を設け、比較国際教育学研究の拠点確立を目指している。
取り組み事例1【日韓教員交流事業】
プロジェクトの大学院生メンバーで埼玉県立伊奈学園中学校の英語科教員でもある松倉紗野香氏は、APCEIU(アジア太平洋国際理解教育センター)が主催する日韓教員交流事業のコーディネーターを務めている。同事業は2021年にスタートし、オンラインでの活動を進めてきた。2023年夏には、韓国での対面での交流事業が実現し、日本・韓国から34名の教員が参加して5日間の研修が行われた。互いのESDや平和教育に関する実践を共有したり、環境保護活動に参加したりしながら共に学び合う機会を得られた。今後は参加した教員を中心に共同授業が計画されており、日本と韓国を結ぶさまざまな授業が各地で展開される予定である。
取り組み事例2【シンポジウム:みんなで考える「新しい学校」】
上智大学の上野正道教授は、2023年7月、上智大学教育学科との共催で開催された同シンポジウムを開催。映画「夢みる小学校」の上映を通じ、持続可能な社会における学校とは?教育とは?を問いかける企画を行った。学生、教育関係者、研究者、保護者、不登校や貧困支援、居場所づくりなどの団体、議員、マスコミ、出版関係者など、対面とYoutube配信で900名ほどの申し込みと視聴があり、学内外から高い関心が寄せられた。