コンテンツへスキップする
  • トップ
  • 取組み事例
  • マジョリティに向けた多様化社会の公正教育の在り方:複合的考察
    外国語学部英語学科 坂本 光代 教授 (研究代表者)

マジョリティに向けた多様化社会の公正教育の在り方:複合的考察
外国語学部英語学科 坂本 光代 教授 (研究代表者)

  • 4:質の高い教育をみんなに
  • 10:人や国の不平等をなくそう
  • 16:平和と公正をすべての人に
  • 研究

総合人間科学部教育学科 杉村 美紀 教授
外国語学部英語学科 出口 真紀子 教授
明治学院大学 心理学部 渋谷 恵 教授
外国語学部ポルトガル語学科 田村 梨花 教授
上智大学短期大学部 英語科 宮崎 幸江 教授

書籍 多様性を再考する

【研究の概要】
多様性の尊重そしてそれをマジョリティがどう捉えるかということは、本研究のテーマであり、SDGsが掲げる「多様性」や「公正」を日本社会の文脈から考察するものである。欧米の従前の多文化教育研究は同化を念頭にこれまで主にマイノリティ側に変化を求めてきた。本研究は従前の多文化共生の考えを再考し、抑圧されている人々だけが変わるのではなく、多数大勢のマジョリティの意識変革、そしてそれに伴う行動の変化によって、真の多文化共生が実現すると考える。

具体的には、「日本人」の特権の意識を測る日本人特権尺度(Japanese Privilege Scale (JPS))の開発を行い、この開発過程も詳細に記録し、また、JPSを実際使用したミクロ的事例や、政策・社会現象等マクロ的に多様性を考察した図書『多様性を再考する:マジョリティに向けた多文化教育』が、上智大学出版より令和3年12月に刊行予定である。これに伴い、令和3年12月18日(土)に、上智大学国際言語情報研究所(SOLIFIC)と共催で、ブリティッシュコロンビア大学の久保田竜子氏をお招きしてシンポジウムも開催予定である。

【将来の発展性】
日本人特権尺度(JPS)を開発することで、今後類似の意識測定アンケート開発に寄与できればと考えた。平成30年12月に出入国管理法の改正が成立し、「特定技能」という新しい在留資格による外国人労働者の受け入れが平成31年4月より施行され、多数の人が外国より定住目的で来日し始めている。この現状を受け、日本社会の多文化共生が喫緊の課題として挙げられるが、マジョリティ性の属性を有した「日本人」が果たしてどこまで多文化共生を理解し、多様化に取り組む準備が出来ているか、となると首を傾げざるを得ない。日本語を話さず、日本文化に精通していない人々と共存する、ということは今まで遭遇したことがない、数多くの陥穽を生じさせ得る。それに取り組むのに必要な一石を投じることができればと考える。

担当教員

坂本 光代Sakamoto Mitsuyo
外国語学部英語学科