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上智LGBTQ+映画祭参加レポート 

  • 10:人や国の不平等をなくそう
  • 4:質の高い教育をみんなに
  • 5:ジェンダー平等を実現しよう
  • 学生職員の取組み
  • 学院・大学の取組み

 2024年6月18日、21日、24日、27日に、上智学院ダイバーシティ推進室主催のもと、上智LGBTQ+映画祭が開催されました。 

 上智LGBTQ+映画祭とは、世界中で性の多様性を称え、尊重する「プライド月間」である6月に、上智大学でも性的思考をはじめとした多様性を理解し尊重する取り組みとして行われたイベントです。 

 初日から「リトルガール」「虹いろの十字架~ある牧師の物語~」「チョコレートドーナツ」「ジェンダー・マリアージュ」の計4作品のLGBTQ+に関する映画を、上智生・教職員向けに上映しました。また上映後には教授や牧師さんをお招きし、トークショーを行っていただきました。 

 私は最終日の「ジェンダー・マリアージュ」を鑑賞しました。この日は外国語学部英語学科の出口真紀子教授が上映前後にトークを行ってくださり、会場である6号館の101教室には、教職員の方々や日本人学生などに比べ、留学生の参加者の割合が多かった印象を受けました。 

 「ジェンダー・マリアージュ」は、カリフォルニア州での同性婚の合法化の裁判の様子に、5年に渡って密着したドキュメンタリー映画です。実際に原告として証言をした同性カップルのリアルな言葉から、当時の緊張感や彼、彼女らの勇気が画面越しに伝わってきました。また、同性婚に差別的な評価をし、合法化を反対する被告側のインタビューのシーンも多く収録されており、原告と被告両者の視点から裁判の実情を知ることができました。 

 私が特に印象に残っているのは、原告側は同性婚を否定する客観的な根拠を用意できなかった点です。出口教授も上映後にこの点に触れていましたが、初め、同性婚は小児性被害を誘発するなど合法化による損害を語っていても、正当性は認められず、合法化による被害を実際に受けた人もいないことが明らかになっていきます。この事実を受けると、国が違えど日本でも同様のことが言えるのではないかと感じ、現在日本では合法化がなされていない事実に不甲斐なさを覚えました。 

 また、ラストシーンで原告をはじめとした同性カップルの方々が結婚式を挙げるシーンは涙なしでは見られませんでした。それまでの裁判の様子を実際に見ていたかのようなリアリティを感じられる内容だったため、カップルたちが心から喜び涙する姿にひときわ感動してしまいました。 

 ここまで私の暑苦しい感想を述べてしまいましたが、今回の映画祭は、LGBTQ+の社会における在り方について考えさせられるイベントになっていたと思います。今年度の開催は終了しましたが、より多くの方々にぜひ来年度以降の同イベントや、そのほかLGBTQ+に関連するイベントに参加し、考えを深めていただきたいです。 

学生職員:小山香怜