社会の中での子育てを実現するための研究
総合人間科学部心理学科 齋藤 慈子 准教授
- 研究
【研究の概要】
「社会の中の子育て」が理想とされる中、現状は理想からは程遠い。生物学的には「子ども=かわいい=世話したい」でないのは当然である中、どのような人が、どのような齢の子どもに、どのようにかかわってくれるのか、他者のかかわりが子どもの発達へどのような影響を与えるのかを明らかにすることは、社会の中の子育てを促進するためのシステム構築に重要である。本研究では、親、保育士、一般成人を対象に、Web調査およびインタビュー調査を実施し、乳幼児顔の評定値、養育態度や育児ストレス、子どもの発達等を測定することにより、上記問いに答えることを目指す。
【将来の発展性】
ヒトは母親以外の個体が子育てに参加する、共同保育をする種であると考えられるが、親、特に母親への子育ての負担が過度にかかっている結果、親の育児ストレスが高まったり、女性の仕事の継続が困難であったり、少子化をもたらしたりしていると考えられる。本研究により、社会の中での子育てが実現することで、親のメンタルヘルスの向上(目標3)、女性の社会での活躍およびそれによる生産人口の増加(目標5,8,10)、子育てしやすい環境の提供(目標11)につながるだけでなく、子どもが多様な人とかかわることで、社会性の育成にも貢献する(目標4)と考えられる。
担当教員
齋藤 慈子Saito Atsuko
総合人間科学部心理学科