エンパワーメントサークル「Speak Up Sophia」
- 課外活動団体
性的同意を文化にするため活動しているエンパワーメントサークル、 「Speak Up Sophia」の共同代表 外国語学部 ポルトガル語学科 冨永華衣さんにインタビューを行いました。
——Q1 創立の背景を教えてください。
「Speak Up Sophia」は、総合グローバル学科の女学生2人が2018年に立ち上がりました。2人は海外在住経験があり、海外では当たり前である性教育の機会や知識が日本では乏しいことに問題意識を持ちました。2人は飲み会やキャンパス内で起こる性暴力などの解決のため、「性的同意」という概念を普及したいと思い、サークルを立ち上げました。
——Q2「Speak Up Sophia」の活動について紹介してください。
私たちの活動目的は、一人一人が自分を大切にする社会を作るため、ジェンダー平等を実現したいという意欲がある人と一緒に声をあげていくことです。そのため、大学内外で「性的同意ワークショップ」を開催しています。また、外部機関と連携してイベントに登壇することもあります。サークル内では定期的に勉強会、読書会、オンラインミーティングなどを行っています。
また、性的同意に関する知識を必修授業に取り入れることや、カウンセリングセンターの充実化などを大学に働きかけています。
——Q3「Speak Up Sophia」名前の意味を教えてください。
先ほど言及したように、私たちのミッションは、活動を通じて「性的同意を文化にする」ために「Speak Up する」(声をあげる)ことです。
私たちの活動を通して誰かを応援し、エンパワーメントすることができるようにみんなで声をあげていこうという意味です。
——Q4 特に意識しているSDGs目標がありますか?
私たちの活動で少しずつ日本がいい方向に導く手助けが5番「ジェンダー平等を実現しよう」と10番「人や国の不平等をなくそう」に関してはできていると思います。
5番に関して、「Speak Up Sophia」では女性への不当な扱いに声をあげています。また、5番の内、5−5の「女性も男性と同じように参加したり、リーダーになったりできるようにする。」という詳細ターゲットに対して「Speak Up Sophia」では、多くの女性メンバーがリーダーシップをとっていることでターゲットに貢献しています。「Speak Up Sophia」は、女性が主体になって自分と他人のために積極的に動くことができ、お互いにエンパワーメントのできる場所であります。
また、日本人女性だけではなく、全ての国籍、人種、年齢の人に対する差別に声をあげることで10番にも当てはまると思います。
——Q5 ジェンダー平等に関して現社会の問題と課題は何だと思いますか?
女性の人権に関しては、自分も女性として日々もやもやを感じています。勝手に性的に搾取されたり、体格差があるからと言って舐められたり、一人の人間としてではなく、若い女としてみられていると感じたことがあります。それは日本社会の同調圧力が強く作用しているためだと思います。
人々は小さい頃から「人に親切にしろ」と教わるですが、「自分を大切にしよ」を教わる機会はほとんどないです。自分を大切にする機会がないのに他人を先に考えることから矛盾が起こります。女性の人権や、ジェンダーイシュー全般に関して知識を得ることも大事だが、他人の気持ちを考える前にまず自分のことを大切にする方法を知る機会が必要だと思います。
——Q6「Speak Up Sophia」のINSTAGRAMにはコンテンツが充実していますね。その内容を紹介してください。
INSTAGRAMでは、大きく「オピニオンポスト」、「インタビュー記事」に分けて投稿を乗せています。
「オピニオンポスト」は、メンバー個人が日々の生活の中で感じるジェンダーに関するもやもやや、Me Tooストーリーを自分の言葉で表現しています。
インタビュー記事は、人々に性的同意、Black lives matterなどの社会問題についての意見を聞き、まとめて記事にしています。
——Q7 活動の中で困難なことや解決できていない悩みがありますか?
特に感じたのは、活動の中の一つである大学への働きかけです。
現在は、「性的同意ワークショップを義務化する」、「大学内における性暴力被害の実態調査」、「カウンセリングシステムの充実化」の3つの柱を中心に活動を行なっています。そうした私たちの活動を、大学関係者の方と共有していく課程で、どうしても温度差や考え方の齟齬が出てきてしまいます。ロビング活動においては、相手方との関係構築が重要だと思いました。また、性的同意という言葉への偏見、誤解を拭えていないことです。
——Q8 これからの目標を教えてください。
性的同意を文化にすることと、より安全なキャンパス作りをすることです。
それを実現するため、新入生のガイダンス等で、性的同意ワークショップを導入することができないかどうか、大学側に提案しています。
また、私たちの考えに賛同してくださっている教職員の方々とミーティングを通して性的同意の重要性を新入生にどう伝えるべきかを考えています。その活動の一環として、上智大学専用の性的同意ハンドブックの作成も現在行っています。活動をして行くことで多くの人をエンパワーメントすることができて、大学内での不平等がなくなればと思います。
——Q9 読者へメッセージをお願いします。
どんな問題であっても、一人じゃ何もできないと思い、何もしない人が多いかも知れません。しかし、その人たちみんなが集まったら大きなインパクトになります。問題を解決することは小さいことの積み重ねが大事です。毎日のもやもやを無視せずに一つずつ消化して行くのが大切です。
それには知識、時間、努力が必要になりますが、周りにはすでにもやもやの消化をしている人がたくさんいます。一人で「どうしよう」と立ち止まるのではなく、自分に役に立ちそうな情報を調べ、お互い助け合う仲間を見つけるなど、なんでもいいのでとりあえず行動してみることから初めて欲しいです。
行動をしたからこそ味わう絶望感もあると思いますが、声を上げることは社会のためだけではなく、自分の成長のためにも大切です。より多くの人に行動し、エンパワーメントして行く達成感を味わって欲しいです。
インタビューに応じて下さった「Speak Up Sophia」の富永さん、ありがとうございます。
インタビューに応じて下さった「STUDY FOR TWO」の伏見さん、藤田さん、ありがとうございます。
(学生職員 オ)