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ダイバーシティ推進室主催 Sophia Diversity Week(11月25日~12月10日)イベント「『マイノリティ』と『マジョリティ』の共生社会~日本賞受賞作品とゲストの対話から~」に参加しました

「共生社会」の実現に向けて、どんな道のりがあり得るのか。 そもそも「共生社会」、「マイノリティ」、「マジョリティ」とは何なのか。 皆さんは考えたことがありますか?
今回のイベントではNHK主催の日本賞を受賞した「人種差別と戦った中学校の三週間」というドキュメンタリー映画からこれらの問いに対するヒントを得て様々なバックグラウンドを持ったゲストの方々にディスカッションをしていただきました。

濃密なディスカッションの末、「共生社会に対してどう向き合っていくか」という質問に対し、スリランカのルーツを持つ上智大学生のビヤンビラ・キララさんは、今回スリランカ人というマイノリティとして話しているが、このイベントで話せているのは上智大学生というマジョリティだからであるとした上で、次のような考えを共有していいただきました。「人は誰しも自分のマイノリティのアイデンティティに集中することが多く、マジョリティの部分に気づかないことが多いです。しかし、自分のマジョリティ性を理解することは相手のマイノリティ性を理解するために必要だと感じています。マジョリティ性がいかに力強いもので、いかに責任のあることなのか考え、実践してトライアンドエラーを繰り返して、共生社会を作っていくことが大切だと思います。」

車椅子ユーザーで上智大学生の布廣幸太郎さんは、自身がラーメン屋に行った時、車椅子用スロープが急斜面で登ることができず、スロープはあってもカウンターしかなかったので食事ができなかった経験を共有し、相手の立場にたって考えること、そして共生社会について深く考える重要さを伝えていただきました。「共生社会がどういうものかということについて考える人が一人でも増える社会になってほしいと思っています。このイベントに参加された方々は改めて「共生社会ってなんだろう」という疑問が生まれたと思います。いかに共生社会というものがぼやけたものであるか気づけた参加者の皆さんはマイノリティだと思います。マイノリティとして、このイベントを活かして気付きを提供できるきっかけ作りをできるようになることが大事だと考えています。私たちの一歩が、共生社会への一歩です。」

NHK職員でセクシャルマイノリティの安田慎さんは共生社会に向けてNHK職員として向き合ってきた経験とこれからの目標についてお話しいただきました。
「私は2019年に同性パートナーと海外で結婚し、職場にカミングラウトしました。しかし、同性パートナーの登録を会社的に認めないという制度があったので、全国の局向けに勉強会を開催し、その中でLGBTの施策について他の企業ではどういう取り組みをやっているか紹介しました。それまでは自分のセクシャリティについて周りに言うことができていなかっため、遮断された気持ちでしたが、この行動をきっかけに職場のLGBTQに関する施策が良い方向に向かっていったと感じています。また、番組上では、男性と女性のジェンダーバランスを50/50に近づける取り組みをしています。子供達が目に触れる人物がより多様であるための試みは、あらゆる番組で進められています。男女比だけでなく、障害者の方々が『おはよう日本』キャスターとして出演できるような、多様な人々が画面に出てくる環境づくりがこれからも必要だと考えています。」

「マイノリティ」「マジョリティ」「ダイバーシティ」「共生社会」ーー様々な言葉が飛び交うこの日本社会で、これらについて改めてどう深く考え、自分なりに何を大事にしていき、どこを目指して行動すべきなのか。それを問われたイベントでした。より明るい多様な未来のために、読者の皆さんもぜひじっくり考え、行動にうつしてみてください。
(学生職員 清水)