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「ウクライナ平和シンポジウム」を開催しました

https://www.sophia.ac.jp/jpn/news/PR/220429ukraine.html

     冒頭挨拶する曄道学長

4月29日、本学と慶應義塾大学の共催による「ウクライナ平和シンポジウム」が、両大学と関連校の学生、生徒および教職員を対象に対面とオンラインで開催されました。本学四谷キャンパス6号館101教室には、約250人が来場。オンラインでは延べ730人以上が視聴しました。
 本シンポジウムは、2月下旬に始まったロシアによるウクライナ侵攻で人間の尊厳が踏みにじられる現実を目の当たりにする中、人々が安心し幸せに暮らすことができる社会の実現のため、何を考え、何をすべきか、専門家からの客観的な情報提供を踏まえて若い世代と共に考えることが目的。
 開会の挨拶で本学の曄道佳明学長は、平和という人間社会における根源的な価値について問いかけ、シンポジウム開催の意義を伝えました。

   第1部:専門家4人による解説

 第1部は「ウクライナ問題をどう見るか」と題して、両大学から4人のパネリストが登壇しました。
 本学の兼原敦子法学部教授は国際法研究者として、国際法の意義と限界、国際社会と主権国家の対応などを解説。旧ソ連地域を研究する慶應義塾大学総合政策学部の廣瀬陽子教授は、ロシアが侵攻に至った背景を説明した上で、世界が協調してウクライナを支援しておりロシアが軍事的に勝利したとしても政治的な勝利はないだろうと述べました。
 また、鶴岡路人慶應義塾大学総合政策学部准教授は、安全保障研究者の視点で、今回の侵攻の構造を原因、実態、目的・終戦・戦後の3点から分析。ロシアの行動はどのような理由があっても許されるものではないが、終戦後ロシアを孤立させ排除しても平和を保つことはできないと語りました。4番目に登壇した本学の東大作グローバル教育センター教授は、アフガニスタンやシリアなどの和平調停・平和構築を研究してきたことを踏まえ、今後のシナリオを予想しました。
 そして、スペシャルトークとして、国連難民高等弁務官事務所駐日首席副代表のナッケン鯉都氏が難民支援の実際について訴え、第1部を締めくくりました。

   第2部:両大学学生6人が参加しての
         トークセッション

第2部「平和構築・軍事紛争予防のために何ができるか」では、曄道学長、伊藤公平慶應義塾塾長の両名がモデレーターを務め、本学から山内梨々花さん(法法2)、齊藤良彰さん(総グ4)、シナバーガー英利佳さん(国教4)、慶應から中下璃乃さん(総合政策学部2)、ジノフ イワンさん(経済学部2)、高木裕介さん(政策・メディア研究科修士1)の学生6人が参加してトークセッションを実施。国連改革の可能性、平和教育の重要性、歴史理解やメディアリテラシーなど、それぞれの考えを述べました。
 学生からの質問に対して兼原教授は、「日本に何ができるかということは私たちが何を我慢できるかということ。日本という主権国家の利益を私たちが判断し賛同するということだ」と答えました。

    熱心に耳を傾ける来場者たち

 閉会の挨拶で伊藤塾長は、学生自身が将来のために学び、何ができるかを考え実行していかなければならないと述べ、盛況のうちにシンポジウムは終了しました。