上智大学公式サステナブルTシャツ販売開始のお知らせ
近年、私たちの社会では環境問題をはじめとするさまざまな課題が深刻化しています。こうした地球規模の課題に対して、一度立ち止まり、自分ごととして考える機会を提供したい。その想いを込めて、上智大学公式サステナブルTシャツの販売を開始いたします。
【販売情報】

【サステナブルTシャツの特徴】
本製品には、タキヒヨー株式会社が提供するリサイクルコットンTシャツを使用しています。生産過程で発生し、本来は廃棄されるはずだった裁断片を再利用した「リサイクルコットン」を一部素材として採用。また、制作過程での社会的・環境的配慮、品質、法令遵守を保証するGRS認証を取得した企業間で生産されているため、環境負荷をできる限りに抑えると同時に、労働環境にも配慮したサプライチェーンを通じて生産・流通されています。

【このプロジェクトを立ち上げたきっかけ】
もともと私はファッションに興味があり、趣味としてさまざまなブランドを追いかけていました。そんな中、私が特に好きなブランドの一つが、世界中の海から回収されたプラスチックや漁網、埋め立てごみ、繊維くずを再利用・浄化して作られた再生ナイロンのみを使用したサステナブルなラインナップを展開していることを知り、とても感心しました 。このような取り組みを知ることで、ファッション業界が環境問題に与える影響の大きさと、それに対抗する形で進められているサステナブルファッションの重要性を強く実感しました。
これをきっかけに、上智大学の学生として、大学の公式アパレルグッズにもサステナブルな選択肢を加えることができるのではないかと考えるようになりました。多くの学生が日常的に着用する公式アパレルにサステナブルな選択肢を取り入れることで、身近な購買行動の中で環境意識を高める機会を提供できるのではないかと感じました。そこで、私はダイバーシティ・サステナビリティ推進室の学生職員として、学生主導のSophiaサステナブルTシャツプロジェクトを立ち上げました。
【プロジェクトに込めた想い】
私は、SophiaサステナブルTシャツプロジェクトを通じて、サステナビリティへの理解を深め、実践の機会を提供することを目指しました。特に、上智大学生に最も人気のある公式アパレルグッズをサステナブルなものにすることで、より多くの学生が関心を持ち、身近に感じてもらうことを目指しました。
【学生・教職員によるデザイン公募】
Tシャツのデザインは、上智大学の学生および教職員を対象に公募を実施したところ、約90点の応募が集まりました。デザイン公募では、想像以上に多くの作品が集まり、上智大学の学生と教職員の皆さんのサステナビリティに対する関心の高さに驚くと同時に、深く感心しました。応募されたデザインには、それぞれの想いが込められており、サステナビリティというテーマに対して多様なアプローチが見られました。メッセージ性の強いもの、サステナビリティという概念を独自に解釈したもの、そして上智大学とサステナビリティのつながりを象徴的に表現したものなど、どの作品も個性と創造性に溢れていました。
印象的だったのは、多くの作品において、コンセプトが独自の感性によってデザインとして表現されていたことです。デザインの一つひとつに込められたストーリーや想いを感じながら作品を見ていると、まるで美術館にいるような感覚になりました。また、私自身もサステナブルTシャツのデザインに挑戦してみましたが、コンセプトを形にすることの難しさを痛感しました。それを見事に表現し、多くの素晴らしいデザインを生み出してくださった上智大学の学生と教職員の皆様には、心から感心し、また感謝の気持ちでいっぱいです。
一次審査では、「上智らしさ」「コンセプト」「コンセプトのデザインへの表現度」の3つの観点から厳正に審査を行い、4つのデザインに絞りました。その後、学内投票による二次審査を経て、国際教養学部国際教養学科3年の亀山愛華さんの作品が最優秀賞に選ばれ、本製品のデザインとして採用されました。


デザイン公募を通じて、上智大学公式サステナブルTシャツのデザインが決定した一方で、多くの学生が長い時間をかけて制作した素晴らしいデザインが、選考委員会内にとどまり、一部の人しか目にすることができないのは惜しいと考えました。そこで、2025年1月16日から1月30日まで、2号館1階エントランスで応募作品の展示会を開催しました。
この「上智大学公式サステナブルTシャツ公募デザイン展示会」では、サステナビリティというテーマが、デザインを通じたクリエイティブな表現として人々の心に響くものになり、多くの人がこの展示会を通じてサステナビリティについて改めて考える機会としてくれたことを願います。
【今後の展開】
サステナブルな商品が常に選択肢として存在するため、今回のサステナブルTシャツも一度限りの企画ではなく、上智大学公式サステナブルTシャツとして継続的に販売していくことを目指しています。
このプロジェクトは、単なる商品の販売にとどまらず、学生がサステナブル消費やエシカル消費について学ぶ機会を提供することも目的としています。日常生活の一部である購買行動を通じてSDGsへの貢献を実感し、環境だけでなく、人や社会にも配慮した選択を促すことが狙いです。製品に使用される素材や製造プロセスがサステナブルなものになると、どうしても価格が上がってしまうのは避けられません。多くの人は価格を重視し、できるだけ安い商品を選びたいと考えるでしょう。しかし、その「安さ」の裏には、環境負荷の高い素材の使用や、劣悪な労働環境で働く従業員の存在があるかもしれません。だからこそ、単に価格の安さだけで選ぶのではなく、その背景にある環境や社会への影響を意識し、サステナブルな選択をしてほしいと願っています。

本Tシャツを通じて、環境問題をはじめとする持続可能な未来に向けた意識を高め、行動につなげていく機会を提供できれば幸いです。ぜひこの機会に、サステナブルな選択を身近なものにしてみませんか?
上智学院ダイバーシティ・サステナビリティ推進室
学生職員 綱澤