鶴見製紙株式会社 工場見学に行きました!
大学で使われているトイレットペーパー。みなさんはそれがどのように作られているか考えたことありますか?
実は、上智大学を含めた教育機関や行政機関、企業などから出た機密書類からできているのです! 今回は、上智大学のトイレットペーパーが製造されている鶴見製紙株式会社の工場を学生職員2名が見学してきました。

鶴見製紙株式会社は「都会という森林の中の製紙工場」であり、印刷物やコピー紙などの紙を原材料として使用し、再生紙100%の循環型社会を目指しています。また、同社は機密書類をリサイクルしてトイレットペーパーを製造しています。 個人情報などを含む機密書類は他人の目に触れないように厳重に管理したうえで廃棄する必要がありますが、シュレッダーを使用すると紙の繊維が破壊され、再生紙に利用されにくいという事情があります。


工場に届いた機密書類は、工場の社員を含め誰も見ることができないように、ダンボールに入れたままパルパーと呼ばれる機械に投入され、水と一緒に溶解されます。溶かされた紙は、様々なプロセスを経て、私たち学生職員よりも大きなロール紙に!このロール紙は、私たちが日頃から目にするトイレットペーパー約2万個分にもなります。大きなロール紙は、やがて小さなロールに巻き換えられます。中心に芯が入れられ、ベルトコンベアーのような機械に載せられたトイレットペーパーは、ノンストップで私たちが普段お店で見る袋に詰められて行きます。


トイレットペーパーの製造には、特に紙を溶かす工程で大量の水が使用されます。その使用量はおよそ1日で8,000トンにも及びます。これほど多くの水を使う一方で、環境への配慮も欠かせません。そこで、使用した水は3段階の処理を経て浄化され、最終的には川へと戻される仕組みが整えられています。 最初の処理段階では、まだ紙の繊維などが水に浮いていますが、2段階目・3段階目では微生物の力を活用して水をきれいにしていきます。こうした工夫により、水資源の持続可能な利用が実現されているのです。

鶴見製紙は、トイレットペーパー製造販売と機密書類溶解処理をもとに、資源循環システムを作りあげてきました。今回の工事見学を通して、普段は気づかない身近なところでもサステナブルな取り組みを通して作られている製品が取り入れられていることを知りました。
そして、 機密書類をそのまま再利用できることは、企業側にとってはシュレッダーのごみを減らすことにつながり、鶴見製紙にとっては、原料の古紙を業者から購入する必要がなくなるため、両者にとってメリットのある取り組みであることがわかりました。


<感想 >
機密書類がトイレットペーパーに生まれ変わる過程では、インクなどの成分が取り除かれ、トイレットペーパーとして使えない部分が排出されます。この排出物は、鉄を作る会社で再利用されているそうです。 機密書類から生まれたトイレットペーパー、そしてその製造過程で生じた排出物までもが別の形で活用されていると知り、「機密書類どまり」だったものがここまで循環していることに驚きました。 また、機密書類を溶かしてパルプ状にする際に使われる排出水も、三段階の工程で処理され、安全に配慮したうえで自然に戻されているれていると聞き、循環型社会の仕組みを強く感じました。
学生職員チャドリー・八田