音声コミュニケーションに関わる医療と福祉
理工学部情報理工学科 荒井 隆行 教授
- 研究
【研究の概要】
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、人間の発声に伴う飛沫やエアロゾルの可視化に関する研究が重要視されている。そのような中、レーザー光を用いた可視化技術が応用されているが、レーザーを人間の顔に照射することは危険である。
そこで、我々が長年培ってきた人間の発声を模擬する模型の数々が役に立つことがわかり、そのための実験をいくつかのパターンで行った。そのうちの1つは、肺の模型に人工喉頭を装着し、その上に頭部形状模型を乗せた実験である。空気と共に、直径が数ミクロンのオイルミストを一緒に模型に吸わせ、発声と共にエアロゾルがどのように出るかを観測した。マスクの効果についても合わせて観測した。また、別のパターンでは、破裂子音の/b/を発することができる模型を用いて、人工唾液による飛沫が子音と共にどのように飛散するかを観測した。
【将来の発展性】
発声に伴う感染が注目されている中、人工喉頭の改良を行うことにより声帯振動におけるエアロゾル発生のメカニズムの解明や、異なる子音を模擬する模型を製作することで破裂子音の種類別の飛沫の飛散状況をより客観的に計測するなど、その成果が期待される。
Arai Laboratory
Vocal-Tract Models to Visualize the Airstream of Human Breath and Droplets While Producing Speech
担当教員
荒井 隆行Arai Takayuki
理工学部情報理工学科