ラマン分光と角度分解光電子分光による非従来型高温超伝導の研究
理工学部機能創造理工学科 WEILU ZHANG 特任助教
- 研究
【研究の概要】
強相関電子系の超伝導は、従来の超伝導とは発現のメカニズムが異なると考えられており、この発現メカニズムの理解は、新たな高温超伝導物質の設計指針につながると期待されていて、現在世界中で活発に研究されている。
鉄系超伝導は、鉄の3d電子がスピンの自由度と軌道の自由度を持っていて、これらの複合自由度が豊かな物性をもたらしている。超伝導秩序に近い電子ネマチック秩序とスピン密度波を解明することは、鉄系超伝導の発現機構の解明に直結する最重要課題の一つである。
我々は、ラマン分光法によって、鉄系超伝導中の電荷、スピン、軌道および格子の相互作用とダイナミクスを調べることで、超伝導や密度波などの集団的振る舞いの微視的起源、電子と格子相互作用の役割、電子相関の役割、電子ネマティック秩序と磁気秩序の役割および超伝導秩序関数の形成メカニズムの解明を目指す。
【将来の発展性】
新たな超伝導材料の開発研究に貢献できると期待している。
担当教員
WEILU ZHANGWEILU ZHANG
理工学部機能創造理工学科