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四谷キャンパスに総合案内サインとエリア案内サインを設置しました。

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サステナビリティ推進本部キャンパス環境改善チーム

(左から:庄司萌瑠、山本葉月、松見渓太)

<サイン計画の経緯>

上智大学は、長期計画「グランド・レイアウト2.1」の重点計画において示された「グローバルキャンパスの創成」実現に向けて学内環境整備を加速化させており、多様性が尊重され、心身健全に過ごせるキャンパスを目指すべく、外構整備においてもユニバーサルデザインの観点から適切な整備を行っています。段差解消などの環境面の整備が進む中で、サステナビリティ推進本部では、情報のバリア改善に着目し、視認性や多言語に配慮した案内サインを学生職員が中心となって作成しました。

松見:まずは学内の案内サインの課題を洗い出すべく、在学生を対象にアンケートを実施しました。すると、ほとんどの回答者が迷ったことがあると回答し、その理由として、そもそもキャンパスを初めて訪れた人(来訪者・新入生)や慣れない人に対する案内サインが欠如していること、学内の案内サインは設置してあるものの統一性がなく錆びているものもあること、また日本語表記しかなく英語を使用する方に対応していなかったことなどが課題として挙げられていました。

私は1年生のときは通常どおりのキャンパスライフを過ごせたので、わりと学内を熟知していたほうですが、コロナ禍入学組の後輩たちは、入学後もほとんどキャンパスに来ることができませんでした。四谷キャンパスは決して大きくはありませんが、建物の位置と番号が順不同でわかりづらく、対面授業が再開した際には大混乱が生じるなと思い、急ぎ整備が必要だと感じました。

山本:そこで、これらの課題に対しどのようなサインを設置することが理想であるかニーズを探るために「四谷キャンパスサイン調査」を2021年9月27日に行うこととしました。

調査では、ユニバーサルデザインを手掛ける株式会社ミライロ様のご指導のもと、一般学生、学生職員、職員でフィールドワーク調査を行いました。まずは現状の外構サインがどのようになっているのかを把握するために、キャンパスをゾーン分けし、3チームに分かれて既存のサインを頼りに目的地にたどり着けるのかを検証しました。

  

さらに、視覚障害体験用シミュレーションゴーグルや色対比スケールも使いながら既存のサインを優れたもの、課題が残るものとしてそれぞれ評価しました。例えば、アクリル板で表示された案内板は一見綺麗に見えますが、車いすの方の視点ではちょうど光が反射して見えなくなってしまうのです。これではユニバーサルデザインに則った優れたサインとは言えません。

 

その結果、多くのサインに以下の問題点が挙げられました。

・字が小さい

・明度比が小さい

・設置位置が高すぎる(車いすユーザーの視点も含む)

・照明が暗い

これらに関して、そもそも上智大学内でサインに関する共通認識がなかったことから統制の取れたシステムが機能していないと結論付けられました。

そこで、私たちサステナビリティ推進本部学生職員では、この課題に対する解決策として

  • サインの統一性を担保するためのサイン計画マニュアルの作成
  • 総合案内・エリア案内サインの優先的な作成

に注視し取り組むことに決めました。

<サインの作成>

庄司:早速サイン調査の結果を施設整備担当部署と共有し、2022年度新学期スタートまでに「総合案内版」、「エリア案内版」を設置するという見通しを立てました。サイン調査に引き続きユニバーサルデザインの観点から株式会社ミライロ様に監修していただき、デザインそのものは丸善雄松堂株式会社様と共同でプロジェクトを進めることとなりました。また、これを機にデザインの統一性を図り、階層的なサインシステムを目指すべくサインマニュアルの作成にも着手しました。

2021年11月頃から毎週ミーティングを重ね、高さ、色使い、大きさ、ピクトグラム、文字表記(日英併記)、方向、内容などあらゆる方面から案内板に何を盛り込むのか協議しました。

 

こだわった点は、上智としてのアイデンティティとユニバーサルデザインを両立させることです。例えば、上智のスクールカラーであるエンジ色を使いつつも、20人に1人はいると言われている先天色覚障害の方に配慮する必要もありました。似たような色でデザインを考えるのではなく、色の差を利用することで建物と名称がわかりやすくするように色については時間をかけて取り組みました。

写真にも見て取れるように、エンジ色やウェーブを用いることで「上智らしさ」を表現しながらも、グラウンドや建物、道路を細かく色分けすることで「認識しやすさ」も追及することも同時に叶えました。

(左 旧総合案内版 右 新総合案内版)

また、上智大学の中でも複雑に建物が乱立する8号館、9号館、11号館付近はこの総合案内版とは別にエリア案内版として作成しました。総合案内版には掲載しきれなかったエレベーターやトイレの位置情報を追加することで、より目的地付近に近づいてからも再確認ができるような仕組みを創り上げました。これについても総合案内版に準じた配色をすることで統一性も欠かすことなく作成しました。

<設置>

松見、山本、庄司:こうして当初の目標通り、2022年4月の春学期スタート前に、まずは第一歩としての総合案内板とエリア案内板を設置することができました。今年度からは対面授業も増え、新入生のみならず今までキャンパスに足を運ぶことが難しかった留学生にも四谷キャンパスを訪れるチャンスが多いです。さらに夏休みにはオープンキャンパスも対面開催されるなど、さらなる来訪者を見込んでいます。各サインに掲載しているQRコードからはアクセシビリティマップに飛ぶことができ、より詳細な情報を得ることができますので是非あわせて活用していただけると嬉しいです。

今後も私たちキャンパス環境改善チームでは、安心・快適なキャンパスを目指して、誘導サイン、記名サイン、説明サイン、規制サインなどの段階的な情報入手・行動を促すためのサインシステム構築に引き続き取り組んで参ります!