コンドーム利用促進に関する研究
総合人間科学部心理学科 樋口 匡貴 教授
- 研究
【研究の概要】
性的な接触を行う際に,性別・年齢を問わず適切にコンドームを使用できることは,性感染症予防やリプロダクティブヘルス/ライツなどの観点から,個人の健康と福祉を維持する重要なスキルである。しかし,購入時や使用時において“恥ずかしい”といった感情的要因がその適切な使用を阻害することが明らかになっている。そこで本研究プロジェクトでは,コンドーム購入時の羞恥感情や使用時の羞恥感情を低減させ,コンドーム購入および使用を促進するための介入プログラムの作成を試みている。例えば,コンドームをおどおどと購入している人物および堂々と購入している人物をVTRを通じて視聴させることで,コンドーム購入時の羞恥感情が低減することやコンドーム購入の自己効力感が増加することが確認されている。また,コンドームの使用を相手に提案したら嫌われるのではないかといった侵入的な思考に対して,それを打ち消す統計的情報を提供するウェブサイトを閲覧させるなどの介入を行い,その効果を検討している。
【将来の発展性】
今後は,研究の一環として構築されてきた介入方法の社会実装を検討する必要がある。心理学・行動科学的観点からの介入方法を用いることによって,よりコストのかからない方法でコンドームの使用を促進させることができると考えている。
担当教員
樋口 匡貴Higuchi Masataka
総合人間科学部心理学科