Summer Teaching Program (STP)
- 課外活動団体
英語教育ボランティアを通して子どもたちとの交流を深めるサークル、Summer Teaching Program (STP)の守屋さんと日比野さんにインタビューを行いました。
——Q1 創立の背景 について教えてください。
STPは上智大学の卒業生である吉田研作さんによって設立されました。外国語学部英語学科の生徒が持つ英語スキルや授業で培ってきた能力を教育に生かせるのではないかと考え、下関にある教育センターでの教育活動を始めたのがきっかけです。次第に参加人数が増加し、規模が大きくなったため、「STP」という団体として確立していきました。
——Q2 活動について教えてください。
STPの頭文字S(Summer)からわかるように、主に夏をメインに日本の様々な地域において小中学生を対象に英語教育ボランティアを行っています。しかし、現在はコロナウィルスの影響で現地に直接赴いて活動をすることが難しくなっており、Zoomなどを通して季節関係なくオンラインで教育活動を行っています。
私(守屋さん)が所属しているSTP盛岡では、例年自分たちで教科書を作成し、それを現地の子どもたちに配布して英語を教えるという活動を行っています。しかし、コロナ禍において対面での活動が不可能だったため、自分たちで作成した教科書を紙媒体ではなく、データ媒体で先方にお送りする形をとって工夫を凝らしました。そして、オンデマンド授業用の映像作成とリアルタイムでの授業準備を先方と協議を重ねました。私はオンデマンド授業の作成に携わったのですが、そこでは外国の歌やディズニーの歌を用いて英単語の学習や穴埋め形式での英語学習を行いました。
——Q3 活動拠点について教えてください。
活動地域は、室蘭、盛岡、足利、下関、小野田、福岡、カンボジアの7地域です。
その中でも一番教育活動に熱心なのは、STP小野田だと思います。私(日比野さん)が所属しているSTP小野田では、12月に山口県小野田市の幼稚園生を対象に英語を教えるプログラムを実施しました。内容としては、Zoomをつないで英語で一緒にクリスマスソングを歌ったり、オンライン上でクリスマスツリーの装飾を一緒に英語で行ったりするというものでした。
——Q4 活動において子どもたちの反応はどうですか。
やはりZoomになると、積極的に発言をすることに抵抗を覚えてしまう子が多く、質問に回答してくれる子が固定になったりしてしまうという課題はあります。そこでSTP小野田では、こちら側が生徒たち全員を一人一人あてていくという形をとって子どもたち全員が授業に参加できるように工夫しています。また、授業の際に写真を多用して生徒たちが分かりやすいように、そして答えやすいようにしています。
——Q5 活動を通して困難なことは何ですか。
まず、コロナ禍という前例のない状況の中でどのように活動をしていくべきかを考えることが困難です。また、教材作成や授業を実施するにあたって、コンテンツの難易度やどうすれば分かりやすく生徒たちに伝えられるかを試行錯誤するのも難しい点でありつつ、活動のやりがいです。さらに、現地との連携も困難な点の一つです。例えば、私たち大学生が当たり前のように使用するパソコンやタブレットなどの操作方法が現地の人たちには難しかったり、Zoomなどのアプリのインストールや起動の仕方が分からなかったりして、授業以前にそこから教えなければいけないのが大変な点かなと思います。
——Q6 意識しているSDGsは何ですか。
やはり4番の「質の高い教育をみんなに」が主軸となる目標だと考えています。質の高い教育とは、決して教育内容のことだけではなくて、英語学習の動機付けや英語の楽しさを教えるというような点にも強く結びついていると思っています。新しい発見は誰でも嬉しい経験であるし、その変化を楽しめるような子供たちを育てていきたいと感じているので、常日頃その動機を作ってあげたいという気持ちでSTPの活動に励んでいます。
——Q7 最後に読者へのメッセージをお願いします!
私たちの活動を聞いて、教育に興味を持ってくれたら嬉しいです。日本の中でも少なからず教育格差は存在しているので、それらの問題に目を向け、直接的な貢献は出来なくとも「知る」ことを通してそうした課題について考えるきっかけになれば幸いです。
また、STPでの活動を通してどんな小さな行動でも変化は起きると実感するので、何かしら行動を起こしてくれたらとても嬉しく思います。
(学生職員 原田)