研究紹介 Research
4:質の高い教育をみんなに
- 研究プロフィール
- 専門は平和構築、和平調停、国際関係論。1993年-2004年、NHK報道局ディレクター。企画制作した主なNHKスペシャルに「我々はなぜ戦争をしたのか~ベトナム戦争・敵との対話」(放送文化基金賞)、「イラク復興 国連の苦闘」(世界国連記者協会銀賞)等。退職後、カナダのブリテイッシュコロンビア大学院・政治学科でMAとPhDを取得。2009年からカブールで国連アフガニスタン支援ミッションに勤務、和解・再統合チームリーダーを務める。
2011年より東京大学准教授。2012年8月から2014年8月まで、大学と外務省の人事交流によりニューヨークの国連日本政府代表部の公使参事官。復職後、2016年、上智大学グローバル教育センターに着任。2018年より外務大臣の委嘱による公務派遣で、イラクや南スーダンにも度々訪問し、講演や現地指導者との意見交換などで平和構築への貢献を行っている。
主な著書に”Inclusivity in Mediation and Peacebuilding: UN, Neighboring States, and Global Powers (Edward Elgar 2022)、「内戦と和平~現代戦争をどう終わらせるか」(中公新書、2020年)、"Challenges of Constructing Legitimacy in Peacebuilding: Afghanistan, Iraq, Sierra Leone, and East Timor" (Routledge 2015)、「平和構築~アフガン・東チモールの現場から」(岩波新書 2009年)、「犯罪被害者の声が聞こえますか」(新潮文庫 2008年)、「我々はなぜ戦争をしたのか」(岩波書店 2000年)等
グローバル教育センター 教授
- 研究プロフィール
- 専門は社会学。家族と社会がサステナブルであるためには何が必要かを考えることがテーマです。ジェンダーと環境、気候変動に関するメディア分析、環境問題としての人口問題、異世代間関係などに取り組んでいます。
「家族」(世帯)は社会の最小単位であるとともに、人間の「次世代」(子ども)を生み出す唯一のしくみです。子どもを、社会保障を支える「公共財」としてとらえると、少子化問題と環境問題は、実は構造がよく似ています。どちらも<個人の利益>と<公共財の維持>の相克としてとらえることができるからです。また、自然環境に対する企業の責任が問われていますが、将来の労働者を育成する家族のために企業は何ができるのかという問いを立てることもできます。このような問題群を通じて、人間と自然環境の相互関係を研究しています。
地球環境学研究科地球環境学専攻 教授
- 研究プロフィール
- 音に関わる研究、特に音声コミュニケーションに従事。その根幹には、私たちはどのように音声を作り、またどのように音声を聞いているかという科学的側面への探求があり、言語学(特に音声学)や認知心理学とも接点。言語教育にも貢献し、英語の音がテーマとなっているNHK Eテレ「えいごであそぼ with Orton」の実験監修を2017年から続けている。
「声道模型」による音声生成のモデルは、国内外の博物館展示の他、授業や科学教室等、科学教育において活躍中。ICTが進む現代社会においても、音声の役割は重要になってきている昨今、工学応用のみならず、医療分野や臨床応用なども視野に。最近では声道模型を使って発話中の飛沫等の可視化を実現。
理工学部情報理工学科 教授
- 研究プロフィール
- 私の専攻は理論化学と計算化学になります。地球化学、分子生物学、材料科学などの分野で観測される現象を、コンピューターを使って仮想実験を行うことで「ミクロの世界で起きる現象の可視化」に挑戦しています。 フォトクロミック現象は、その反応機構を理論的に解明したトピックのひとつです。 具体的には近年、日光にさらされると白から黄色に色が変わる生地についてのニュースをテレビで見たことがあるかもしれません。 これは、この現象が適用された例の1つです。
理工学部物質生命理工学科 教授
- 研究プロフィール
- 専門は生物物理学、構造生物学。生命の遺伝物質であるDNAやRNAは生体適合性が高く環境負荷が少ないという優れた性質を有していますが、これらを独自の分子デザイン技術で造形することで、医薬品からナノマテリアルまで幅広い「ものづくり」に取り組んでいます。また、分子デザインのために開発したオリジナル分子模型 BasePairPuzzle を使った科学教育にも取り組んでいます。NPO法人RNAターゲット創薬研究機構 理事。
理工学部物質生命理工学科 教授
- 研究プロフィール
- Maria Manzon is an Associate Professor at the Department of Education of Sophia University. She is a core faculty of the Sophia Program for Sustainable Futures (SPSF). Her research interest lies at the intersection of comparative education, religions, and sustainability. For sustainability to be authentic and transformative, it is essential to study how core values and worldviews are formed. Concretely, Asia is the cradle of the world religions which have shaped its cultures and education systems.
She thus explores the potential of religions, in comparative perspective, for sustainability education in such areas as environmental education and women’s education in Asia. As a member of the Strategic Alliance of Catholic Research Universities’ (SACRU) Working Group 2, she undertakes collaborative research with SACRU scholars on the impact of Pope Francis’ Encyclical “Laudato si’: On care for our common home” on higher education.
She is also part of the Sophia-ESD project (2021-2024) which aims to research on the educational practices, policies, and theoretical significance of Education for Sustainable Development (ESD). Her publications include Comparative Education: The Construction of a Field; Origins and Traditions in Comparative Education; and Equity in Excellence: Experiences of East Asian High-Performing Education Systems.
総合人間科学部教育学科 准教授
- 研究プロフィール
- 専門は発達心理学、進化心理学、比較認知科学。伴侶動物であるネコとヒトの関係や、ヒトを一動物種であるという視点をもって、ヒトの子育てについて研究を行っています。ヒトは哺乳類、霊長類の一種ですが、これらの分類群におけるマジョリティとは異なり、母親単独での子育てが不可能な動物といえます。しかし、現在の日本では、母親・親への子育て負担が偏重しています。社会の中での子育てを実現するために、できることは何かを考えています。
総合人間科学部心理学科 准教授
- 研究プロフィール
- ①開発途上国の保健人材への継続教育強化支援に関する検討
開発途上国の母子保健指標は特に遠隔地域において多くの課題を抱えている。フィールドの保健医療人材が科学的根拠に基づく正しい知識の習得は、安全な医療の提供に欠かせない。低コストで持続可能なプログラムと教育成果の評価指標の開発のための検討をしている。
②在日外国人母子と支援者側への情報提供の在り方に関する研究
日本語や英語によるコミュニケーションが困難な外国人母子は、妊娠、出産、育児において、多くの困難に遭遇している。また、現場の医療職も外国人支援に際して多くの課題を抱えていることが指摘されている。日本人同様の質の高い医療へのアクセス、文化的配慮の元に安全で安心できるサービス提供のための情報提供や支援の在り方について、検討を進めている。
③国際オンライン教育における文化を超えた教育の可能性と評価方法に関する検討
過去3年間にわたり、様々な形で米国の5大学、モンゴル、タイの大学とオンライン合同授業を多数実施してきた。日本と海外の学生が同じトピックスを共に学ぶメリットは大きい。トピックスに関する比較や検討の他、学ぶ姿勢や態度の違いなど、相互に学ぶものも多い。学生の潜在的な学習ニーズと満足度を計るための評価指標について、各大学の担当者と協議を進めている。近くグラントに応募し、国際研究につなげる予定である。
総合人間科学部看護学科 准教授
- 研究プロフィール
- 生まれてくる全ての子どもが大切に育てられる社会であってほしいと願っています。自宅出産が主流であった時代は、人が生まれ育っていく過程が生活の中にあり、身近なものでした。自然に「いのち」や「生き方」について学ぶ機会となっていたと思います。直接的な体験が乏しい現代の子どもたちへ、自分や周囲を大切にする心、心身の健康を守るためのセルフケア行動や意思決定行動を育てる「いのち」や「生き方」に関する教育を、乳幼児期から小学生、中学生、高校生、青年期の教育場面において、段階的に取り入れていくことの研究を進めています。
総合人間科学部看護学科 助教
- 研究プロフィール
- 専門は比較教育学、国際教育学。アジアを中心とする人の移動と多文化教育、高等教育の国際連携ネットワークと教育文化交流を研究テーマにしている。現在、「高等教育における学修成果の可視化に関する国際共同研究」(2021年度~2024年度)及び「アジアにおける持続可能な開発のための教育(ESD)をめぐる比較国際教育学研究」(2021年度~2023年度)の研究代表者を務めている。
また学外では、日本比較教育学会長の他、日本ユネスコ国内委員会教育小委員会委員長、JICA緒方貞子平和開発研究所客員研究員、国連大学サステナビリティ高等研究所の客員教授、アジア太平洋環境大学院ネットワーク(ProSPER.NET)のVice Chairとして研究交流に従事している。
総合人間科学部教育学科 教授