研究紹介 Research
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10:人や国の不平等をなくそう
齋藤 慈子Saito Atsuko
総合人間科学部心理学科 准教授
- 研究プロフィール
- 専門は発達心理学、進化心理学、比較認知科学。伴侶動物であるネコとヒトの関係や、ヒトを一動物種であるという視点をもって、ヒトの子育てについて研究を行っています。ヒトは哺乳類、霊長類の一種ですが、これらの分類群におけるマジョリティとは異なり、母親単独での子育てが不可能な動物といえます。しかし、現在の日本では、母親・親への子育て負担が偏重しています。社会の中での子育てを実現するために、できることは何かを考えています。
樋口 匡貴Higuchi Masataka
総合人間科学部心理学科 教授
- 研究プロフィール
- 専門は社会心理学、健康心理学、感情心理学。特に健康に関連した人間の行動について、どのようにその行動が行われたり行われなかったりするのかを研究しています。中でも羞恥感情と健康行動の関連に興味を持って取り組んできました。”恥ずかしいから〇〇できない”といった状態がなぜ起こるのか(〇〇には検診の受診行動やコンドームの適切な使用などが様々な行動が入ります)、そしてどのようにすればその状態が変わるのかに関心を持っています。 社会科学的な観点から人間の健康行動を考える、そして中でも、個人的な要因よりも社会的・状況的な要因を重視するという点が現在の私の研究のスタンスです。
吉野 八重Yoshino Yae
総合人間科学部看護学科 准教授
- 研究プロフィール
- ①開発途上国の保健人材への継続教育強化支援に関する検討
開発途上国の母子保健指標は特に遠隔地域において多くの課題を抱えている。フィールドの保健医療人材が科学的根拠に基づく正しい知識の習得は、安全な医療の提供に欠かせない。低コストで持続可能なプログラムと教育成果の評価指標の開発のための検討をしている。
②在日外国人母子と支援者側への情報提供の在り方に関する研究 日本語や英語によるコミュニケーションが困難な外国人母子は、妊娠、出産、育児において、多くの困難に遭遇している。また、現場の医療職も外国人支援に際して多くの課題を抱えていることが指摘されている。日本人同様の質の高い医療へのアクセス、文化的配慮の元に安全で安心できるサービス提供のための情報提供や支援の在り方について、検討を進めている。
③国際オンライン教育における文化を超えた教育の可能性と評価方法に関する検討 過去3年間にわたり、様々な形で米国の5大学、モンゴル、タイの大学とオンライン合同授業を多数実施してきた。日本と海外の学生が同じトピックスを共に学ぶメリットは大きい。トピックスに関する比較や検討の他、学ぶ姿勢や態度の違いなど、相互に学ぶものも多い。学生の潜在的な学習ニーズと満足度を計るための評価指標について、各大学の担当者と協議を進めている。近くグラントに応募し、国際研究につなげる予定である。
杉村 美紀Sugimura Miki
総合人間科学部教育学科 教授
- 研究プロフィール
- 専門は比較教育学、国際教育学。アジアを中心とする人の移動と多文化教育、高等教育の国際連携ネットワークと教育文化交流を研究テーマにしている。現在、「高等教育における学修成果の可視化に関する国際共同研究」(2021年度~2024年度)及び「アジアにおける持続可能な開発のための教育(ESD)をめぐる比較国際教育学研究」(2021年度~2023年度)の研究代表者を務めている。
また学外では、日本比較教育学会長の他、日本ユネスコ国内委員会教育小委員会委員長、JICA緒方貞子平和開発研究所客員研究員、国連大学サステナビリティ高等研究所の客員教授、アジア太平洋環境大学院ネットワーク(ProSPER.NET)のVice Chairとして研究交流に従事している。
細木 一十稔 ラルフHosoki Ralph Ittonen
総合人間科学部社会学科 助教
- 研究プロフィール
- 日本における移住(労働)者・外国籍者・外国にルーツを持つ住民の支援団体の国内外擁護運動、日本の入国管理政策の変遷、そして日本のこのような実態や経験の分析への国際移動論の応用の可能性と限界などの分析と考察をはじめ、最近では、「国際人権規範」と越境する人々を受入れる国々の「国益」間で生じる「利害関係」によって、当事者に法的に付与される権利の「度合」がどのように形作られるのかの研究に関心を持っている。
木村 護郎 クリストフKimura Goro Christoph
外国語学部ドイツ語学科 教授
- 研究プロフィール
- 専門は社会言語学、ドイツ語圏地域研究。 とりわけ、社会を形成・運営する基盤としての言語とエネルギーについて研究・教育を行っている。 いずれも、理論的・一般的検討と、しばしば新しい言語観やエネルギー利用法の震源地・実験場となってきたドイツをはじめとするヨーロッパの現地調査の往還をとおして、考察を深めていくことをめざしている。 言語については、地域・国家・国際レベルで多言語状況とどのように向き合っていけばよいのか、またエネルギー面では、ドイツの「エネルギー転換」の背景にある思想とその実践面との関連について研究している。
坂本 光代Sakamoto Mitsuyo
外国語学部英語学科 教授
- 研究プロフィール
- 応用言語学者。専門はバイリンガリズム・バイリンガル教育。特に継承語教育(日本に居住する外国にルーツを持つ人々の母語保持及び海外在住日系人の日本語保持)、近年では日本人英語学習者・帰国子女のアイデンティティ形成・変容について社会言語学的見地から研究しています。
2007年からはサンパウロ市近辺でフィールドワークを行い、日系ブラジル人の日本語保持について研究してきました。また、2018年には日本代表として参加した国際研究チームで『多言語世界のためのザルツブルグ声明』を発表しました。多言語社会が望ましいとされながらもなかなか実現しない原因を追究するとともに、国際語とされる英語の優位性を批判的な観点から考察しています。