【後編】100円朝食 その背景にあるものとは 親の思いを象徴する「100円朝食」 (上智大学後援会 会長 宗像 孝さん インタビュー)
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親の思いを象徴する「100円朝食」
—上智大学後援会 会長 宗像 孝さん インタビュー
コッペパン、サンドイッチ、和食・・・多彩なバリエーションに満足の味と値段で学生生活の喜びとなっている「100円朝食」。
この「100円朝食」が上智大生の父母・保証人で構成されている「上智大学後援会」のご支援のもと提供されていたことをご存知でしたか?ご支援に込められた「親の思い」と、後援会の願いとはなんでしょうか。
上智大生の朝ご飯を支えている上智大学後援会を代表して、会長の宗像 孝さんにインタビューをしました。
——「100円朝食」に対するご支援が始まった背景について教えてください。
2014年、「100円朝食」を行っている他の大学の取り組みを知った後援会の役員から、上智大学でも実施できないかと提案がありました。提案を受けた大学側からも、この取り組みに対して前向きな姿勢を示していただき、本格的な実施の前に、まずプレイベントの形でランチに対する割引キャンペーンを実施し、その支援を後援会から行いました。それが好評を博したことをきっかけに、「100円朝食」として翌2015年から本格的にスタートし、今日に至るまで支援を続けています。
——もう8年以上支援が続いてきたのですね。今までの支援総額を教えてください。
2014年から2021年に至るまでの支援総額は4,500万円にのぼっています。
2020年はパンデミックの影響で 「100円朝食」の提供を中止せざるを得なかったのですが、ニーズに比例するように年々支援額が上がってきました。
——相当な額のご支援をいただいていることがわかりましたが、後援会として、「100円朝食」へのご支援にはどんな思いが込められていますか?
後援会のメンバーは学生の親御さんです。支援の背景には、親として誰しもが抱く子どもへの強い思いがあります。親としては、学生の皆さんには勉強より先に、何よりも健康のことを大事にしてほしいのです。特に今は、コロナの影響で人となかなか会えないことにより、体だけでなくメンタルの健康も気にしなければならない時代でもあります。よく学ぶことはもちろん大切ですが、そのために、しっかりと食べて、心身ともに健康でいてほしい…親御さんすべてがそう願っていると思います。
——「100円朝食」の提供により期待される効果はどのようなものでしょうか?
学生にとって、朝食の「ハードル」を下げてくれると思います。
私も大学時代一人暮らしの経験があり、大学生にとって「朝食を食べる」ということが、どれほどハードルが高いことであるかよく知っています。
それには3つの理由があります。1つ目は「時間」です。学生さんは朝ご飯を作るくらいなら、その分寝ていたいと思いますよね。2つ目は「値段」です。比較的安いモーニングだとしてもある程度のお金がかかってしまいます。最後は、自分で朝食を作る「手間」です。これを省けることで、朝早くからキャンパスにいくモティベーションにつながると思います。
100円朝食が学生の皆さんにとってのこの3つの「ハードル」を低くし、習慣的に朝食を食べて1日を頑張れる原動力になってくれればと期待します。
——学生へのメッセージをお願いします!
100円朝食の存在と、それが後援会の支援のもとに行われていることを少しでも多くの方に知って欲しいと思います。是非、周りの学生、ご両親、保証人にも知らせてもらえると嬉しいです。
また、何よりも積極的に利用して下さい。
親としての一番の願いは、みなさんが元気に学生生活を送ってくれることです。その意味で、100円朝食は、後援会が行っている支援の中でも一番大事な柱の一つです。学生の立場からみても、一番身近で、分かりやすい支援でもあると思います。
より多くの方に利用してもらって、「後援会の支援が足りない!」と言われるくらいになってほしいです。
——100円朝食を愛用している一人として、100円朝食の量と味にも大満足しています。もっと多くの人が積極的に利用して、ご自身で満足感を感じてほしいですね。
100円だから味も量も大したことないのでは?と思っている方もいると思います。しかし、学生さんからいただいたアンケートなどを元に改善を重ね、現在では満足いただけるくらいにメニューも充実しています。100円という値段でも「質」と「量」、どちらも自信を持っておすすめできますので、皆さんぜひ実際に食べてみてその良さを周りの人に知らせてほしいです。
父母・保証人はいつも学生を陰ながら応援しています。自分を支えてくれる人すべてに感謝の心を忘れずに、勉学・学生生活に励んでください。そして、社会人になってからも、受けた恩を次の人につなげ、「For Others, With Others」の精神を実践してほしいと願います。
(学生職員 オ、原田、清水)